言葉

春言

春風駘蕩:春風がのどかに吹くさま。 春日遅遅:春の日がうららかでのどかなさま。また、春の日がのどかで暮れるのが遅いさま。 雨が、あがつて、風が吹く。 雲が、流れる、月かくす。 みなさん、今夜は、春の宵。 なまあつたかい、風が吹く。 なんだか、深い…

桜のしたに人あまたつどひ居ぬ なにをして遊ぶならむ。 われも桜の木の下に立ちてみたれども わがこころはつめたくして 花びらの散りておつるにも涙こぼるるのみ。 いとほしや いま春の日のまひるどき あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを。 …

旅上

ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背廣をきて きままなる旅にいでてみん。 汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ 五月の朝のしののめ うら若草のもえいづる心まかせに。 旅…

3月に山梨日日新聞に掲載されたフジファブリック、志村正彦についての記事です。 前のブログでも載せたけど、また載せます。(大丈夫かな…?)

湖上

ポッカリ月が出ましたら、 舟を浮べて出掛けませう。 波はヒタヒタ打つでせう、 風も少しはあるでせう。沖に出たらば暗いでせう、 櫂(かい)から滴垂(したた)る水の音は 昵懇(ちか)しいものに聞こえませう、 ――あなたの言葉の杜切(とぎ)れ間を。月は…

一つのメルヘン

秋の夜は、はるかの彼方に、小石ばかりの、河原があつて、それに陽は、さらさらとさらさらと射してゐるのでありました。 陽といつても、まるでけい硅石か何かのやうで、非常な固体の粉末のやうで、さればこそ、さらさらとかすかな音を立ててもゐるのでした。…